飲み屋で一杯やるのは、仕事を頑張った自分へのご褒美じゃないでしょうか、けいさん。
こんな風にして、ある編集者とごほうび談義が始まりました。
ひとりで飲み屋で過ごすことを、私はごほうびと思ったことは一度もありませんでした。
たいていは、嫌なことがあったり、反対に、楽しくて刺激的に終わった日でさえ、いざ職場を離れると、それは、疲れというよく知ったものに変わって、肩にべったり張り付いてきます。どこかでひとり、ふぅと息を吐き出したい。そんなときに落ち着ける成熟した逃避場所は、都会には酒場しか残っていないと思います。
職業も肩書きもバラバラなひとが同じ場所に吸い寄せられ、勝手に酒を飲んでいるようでいて、場に溶け込むように最低限品のいい酒飲みでいようとする。そんな善きひとりぼっちがたくさんいる。そういう場所は、ほかにありません。
先日、鎌倉へ行った帰りに寄った大船の「鞠屋」という立ち飲み屋は、とてもよかった。
コロナ対策として、ひとりずつビニールで仕切られた席に改装されていて、飛沫を気にせずに飲むことができる。枝豆と天ぷらが美味しかった。お酒も、もちろん。近所にあったら間違いなく週に3回は通ってしまいます。二千円でお釣りがきたし、本当に、いい店です。
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